複数人一役
私がこの方法に魅力を感じているのはある仮説があるからだ。
それは「ノンフィクション(俳優、の身体、の声、自身)に依存せずにフィクション(劇中人物)を立ち上げることができるのではないか」である。
かつての演技は「俳優(100%)=劇中人物(100%)」、つまり「なりきること」を目指した。
それに異を唱えた現代演劇の演技スタイルは「俳優(X%)+劇中人物(Y%)=100%」ではないか。
つまり俳優自身の存在をある程度認めた上で現実を削りつつ虚構を足していく。
例えば「俳優(50%)+劇中人物(50%)=100%」とか。
ではここに複数人一役をぶち込んでみる。するとこんな計算ができる。
「俳優(80%)+劇中人物(20%)=100%」×5人→登場人物(100%)
もちろんこの後ろには「+俳優(400%)」がくっつくわけだが。
しかし5人で演じることによって平均20%という非常に弱いレベルで100%のキャラクターを創造することができるのだ。
どの役者にも定着しない、透明の幽霊みたいな、だけど確実に存在する、そんなフィクションを立ち上げる。
もしそれが可能だったら、想像しただけでゾクゾクするのである。
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by toi-zuqnz | 2008-04-16 14:27 | あゆみめも
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